診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
北海道から九州まで分布し、道端、畑、樹園地などに一般的にみられる雑草である。
近縁植物としてコヒルガオやセイヨウヒルガオがある。
冬は地上部が枯れ、地下茎で越冬する多年生のつる性植物である。春に地下茎の節々からつる状の地上茎が伸び始める。葉は互生で1~4cmの葉柄があり、細長くほこ型かやじり型で無毛で、6~8月に葉腋から花柄を出し、先にロート形で直径5~6cmの薄いピンク色の花を咲かせる。花は一日花で日中咲き、夕方しぼむ。通常は結実することなく、地下茎で増える。耕起などで切断された地下茎から容易に萌芽することから、耕起作業で圃場内に拡散するばかりでなく、作業機の移動にともなって他圃場へも広がる可能性がある。畑地で発生したヒルガオは作物に巻きつき、生育を抑制する。特に作物の生育初期に巻きつくと影響が大きく、収穫が困難になる場合がある。
コヒルガオはヒルガオに比べ葉の付け根の部分が真横に張り出すように広がり、その先が2裂するものが多い。花弁は3~4cmと小さく、花柄に縮れた翼がある点でヒルガオと区別できる。セイヨウヒルガオは花弁が3cm程度で、苞葉が、がくから離れた花柄の基部に対生するのが特徴である。
新たな場所への侵入は主に地下茎の移動によることから、拡大を防ぐため、トラクター等の作業機の移動の際は土をきれいに落とすなどの注意が必要である。また、圃場周縁部で生育した個体から徐々に圃場内に定着することもある。いずれにしても圃場内に侵入した場合はできるだけ早期に根絶をはかることが大切である。
切断茎からも再生可能であり、ヒルガオ類の防除は除草剤の利用が中心となる。手取りも有効であるが地下茎を残さないようていねいに抜き取る必要がある。刈り払いでは地上部の防除は可能であるが、地下茎まで含めて完全に防除するためには、多回数の刈り払い作業が必要となる。トウモロコシなどの飼料畑では、耕起作業と除草剤との組み合わせによる防除が有効である。トウモロコシ収穫後の秋耕により翌年の発生数は増加するものの、個体サイズが小さくなり、2回の秋耕と土壌処理もしくは1回の秋耕と土壌処理および中耕を組み合わせることでトウモロコシ収量への影響がない程度に、ヒルガオ類を防除できる。
稲の病害虫と雑草 |
ムギ類の病害虫 |
豆類の病害虫 |
ジャガイモの病害虫 |
サツマイモの病害虫 |
アブラナ科野菜の病害虫 |
トマト・ナス・ピーマンの病害虫 |
キュウリ・スイカ・メロンの病害虫 |
イチゴの病害虫 |
ネギ類の病害虫 |
菜園の病害虫 |
カンキツの病害虫 |
リンゴの病害虫 |
日本ナシの病害虫 |
西洋ナシの病害虫 |
モモの病害虫 |
カキの病害虫 |
ブドウの病害虫 |
花の病害虫 |
難防除雑草