診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
疫病には苗疫病とすそ腐病がある。苗疫病では幼芽や新梢が黒枯れ状になり、新葉には黒褐色油浸状の円形大型病斑を形成し、落葉する。病勢の進行は極めて早い。2年生以上の大苗で発生することはまれである。中晩柑、不知火等では高接ぎした場合に苗疫病とそっくりの症状が発生するが、これはカルシウム欠乏によるもので、葉面散布で予防できる(カルシウム欠乏による新梢枯死症状の項を参照)。すそ腐病では主幹の地際部に発病する。皮層は枯死して剥離し、腐敗は木質部に達するが、台木のカラタチには進展しない。病斑が幹を囲むと葉は黄化して落葉し、後に樹は枯死する。
病原菌は土壌中に生息しており、降雨時に雨滴とともにはね上がって感染する。苗疫病では春芽や夏芽の伸長期に長雨にあうと多発し、集中豪雨は発生を助長する。秋雨期にも発生する。大苗の大量育成のための密植・窒素過多栽培で多発する。すそ腐病も梅雨期に発生する。深植えや樹の地際部をわら等で覆うと過湿になって発病しやすくなる。
苗木を育成する時は連作を避ける。苗木を植付けるときは浅植えにし、台木部が地表面に出るようにする。園内の排水をよくして地表が乾燥しやすくする。
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