病害虫・雑草の情報基地

トマト・ナス・ピーマンの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

ピーマンモザイク病

Pepper mild mottle virus(PMMoV)
Cucumber mosaic virus(CMV)
Broad bean wilt virus(BBWV)等

写真をクリックすると拡大します

ピーマンモザイク病
閉じる

PMMoVによるモザイク症状

ピーマンモザイク病
閉じる

PMMoVによる果実の奇形

ピーマンモザイク病
閉じる

PMMoVによって株全体が生育不良となっている

ピーマンモザイク病
閉じる

CMVによるモザイク症状


被害

ウイルスの種類、ピーマンの品種、栽培時期等によって症状は異なるが、一般に、葉にモザイク症状を生じる。PMMoVでは新葉が黄変し、明瞭なモザイク症状を呈する。果実には黄色の斑紋や条斑を生じ、奇形となる。CMVでは葉にモザイクを生じ、株は萎縮する。葉や枝にえそを生じることもある。また、株がわい化、萎縮する。BBWVでは葉に軽いモザイクや黄色小斑点を生じるが、系統によっては葉や果実に明瞭な黄斑や輪紋を生じる。

被害作物

PMMoVはピーマン、トウガラシを侵す。CMV、BBWVは多犯性で多くの野菜・花き類を侵す。

発生

PMMoVは土壌伝染、種子伝染によって発病し、接触伝染によって容易にまん延する。CMV、BBWVはアブラムシ類によって非永続的に伝染する。

防除

CMV、BBMVではアブラムシ類の防除を徹底する。PMMoVに対しては抵抗性品種を利用する。いずれの場合も発病株は直ちに抜き取る。

薬剤(農薬)

アブラムシ類の項参照。レンテミン(感染防止)。

※掲載している薬剤(農薬)は 2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)

RACコード(農薬の作用機構分類)

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 トマト・ナス・ピーマンの病害虫

目次へ戻る | ホームへ戻る

稲の病害虫と雑草 |  ムギ類の病害虫 |  豆類の病害虫 | 
ジャガイモの病害虫 |  サツマイモの病害虫 |  アブラナ科野菜の病害虫 | 
  トマト・ナス・ピーマンの病害虫 |  キュウリ・スイカ・メロンの病害虫 |
   イチゴの病害虫 |  ネギ類の病害虫 |  菜園の病害虫 | 
カンキツの病害虫 |  リンゴの病害虫 |  日本ナシの病害虫 |
   西洋ナシの病害虫 |  モモの病害虫 |  カキの病害虫 | 
ブドウの病害虫 |  花の病害虫 |  難防除雑草