診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
北米原産の多年生イネ科雑草で、日本では1940年ごろに愛知県で確認された。現在では、東北以南に広く分布している。畑地、樹園地、牧草地、路傍、荒地などの日当たりが良く、土壌が乾いた所に多く見られる。
種子によって繁殖し、根付くと抜き取りにくい丈夫な株を形成する。他の植物の生育が困難な酸性土壌や岩山などでも生育可能であり、このような場所を住みかとする在来の希少植物を圧迫する可能性も指摘されている。
ゴルフ場のラフや公園、家周りの芝地内などにも侵入し、有効な芝用除草剤が少ないため、防除しにくいやっかいな雑草となっている。
草丈は50~120cmとなり、地際から分げつを伸ばし、やや扁平な株を形成する。
秋になると直立した茎が多数伸び、その先に穂をつける。やがてその穂に白い綿毛がついた実ができ、それが風に乗って広い範囲に拡散する。穂をつけた茎は、冬枯れした後も長期間直立したまま残るので、遠くから見ても本種だとすぐ判る。
種子から発生した芽生えの草高は低く初期生育も緩慢なため、草高の高い植物が地表を覆っている場所では定着することが難しいが、裸地や草高の低い芝生内などでは、地表面の光条件が良好なため芽生えが順調に生育して定着する。いったん定着すると、根茎によって越冬し大きな株となる。
前述の通り、草高の高い植物が地表を覆っている場所では定着しにくいため、他の植物を繁茂させるなどして地表に光が当たらない条件を保つことが本草種の侵入定着防止につながる。
芝生地については、地表に日が当たりやすいため侵入を防ぐのは難しいが、適度に施肥を行い、刈り高を高めにしてシバの密度の低い部分をなくすことで、ある程度発生を抑えることができる。
本草種は他のイネ科雑草と同様に、刈取り耐性が高いため、年に数回程度の刈取りでは防除することは難しい。種子からの芽生えは抜き取りも可能であるが、生育が進むと根が張って抜き取りにくくなり、大きく成長した個体の再生を防ぐためには、その根茎ごと掘り取る必要がある。
なお、除草剤を用いた防除については、以下に示すとおりである。
稲の病害虫と雑草 |
ムギ類の病害虫 |
豆類の病害虫 |
ジャガイモの病害虫 |
サツマイモの病害虫 |
アブラナ科野菜の病害虫 |
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キュウリ・スイカ・メロンの病害虫 |
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難防除雑草