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リンゴの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

リンゴワタムシ

Eriosoma lanigerum
カメムシ目アブラムシ科 《加害》新梢、枝、幹、根、果実

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リンゴワタムシ
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成虫と幼虫 ©舟山健

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寄生状況 ©舟山健

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被害(虫えい形成) ©舟山健


被害

幹や枝の切り口、小枝の分岐部、新梢や徒長枝の発出部、根部などに群がって吸汁加害する。加害部位には虫えい(虫こぶ)が形成され、養水分の流通が妨げられる。新梢の葉柄基部に虫えいが形成されると、落葉することもある。また、果実のこうあ部に寄生し、分泌物で果実が汚染されることもある。

発生

北海道、本州に分布する。枝幹の割れ目、空洞部、根部などに若齢幼虫で越冬する。越冬幼虫は、開花期頃から活動を始め、落花10日頃には成虫になり、胎生で繁殖する。幼虫は発育とともに綿状の分泌物を背負う。多湿と低温で繁殖が旺盛になるため、例年は6~7月と9月に発生が目立つ。10月から越冬虫が多くなる。

形態

無翅胎生の雌成虫は体長2~2.5mmの円錐形で赤褐色を呈し、触角は短く、体全体が白い綿状物質で覆われる。雄は個体数が少なく、詳しい調査例がない。

防除

徒長枝の剪去など混み合った枝を整理し、風通しを良くする。発生が多い場合は、薬剤を散布する。

収録:防除ハンドブック「 リンゴの病害虫

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