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イチゴの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

輪斑病

Dendrophoma obscurans
《病原》糸状菌 《発病》葉、葉柄、ランナー

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輪斑病
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葉に紫赤色の小斑点が現れ、拡大して不正円形の病斑になる ©小玉孝司

輪斑病
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輪紋状の病斑 ©小玉孝司

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葉の赤褐色の斑点症状 ©小玉孝司


被害

主に育苗期に葉、葉柄およびランナーに発生する。葉でははじめ紫赤色の小斑点が現れ、拡大して不正円形の病斑になる。病斑の中心部は紫褐色に変わり、病勢がすすむと病斑は明瞭な輪紋状になる。病斑の周囲は紫褐色、内部は灰褐色になり、破れやすくなる。発病は中~下位葉に多く見られる。葉の縁に病斑が広がると、くさび形の大型病斑となって葉が枯れ上がる。古くなった病斑上には小黒粒点(柄子殻)を生ずる。葉柄やランナーには赤紫色で楕円形の浅くへこんだ病斑を生じ、その周囲は上下に長く赤変する。病勢が進むと病斑が深くなり、その部分から先が枯死する。

発生

多発時には葉柄やランナーに炭疽病とよく似た病斑を形成するが、本病は葉が先に発病する。葉枯れを起こしやすく、被害葉や被害ランナーに形成される小黒粒点(柄子殻)から胞子を飛散して伝染する。多湿条件で発生し、梅雨期の後半から9月の高温期に雨によってまん廷する。

防除

苗は発病していない親株から採苗する。6月から9月に薬剤を散布して防除する。雨よけ育苗を行い、頭上灌水を避ける。品種間の発病差異があり、女峰、麗紅、宝交早生、ダナー、福羽、さちのかは発生しやすく、芳玉、幸玉、とよのかでは発生しにくい。ポット育苗は多発しやすいので下葉を摘除し、肥料切れを避ける。罹病葉は焼却するか土中に埋める。

収録:防除ハンドブック「 イチゴの病害虫

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