病害虫・雑草の情報基地

ネギの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

黒腐菌核病(くろぐされきんかくびょう)

Sclerotium cepivorum
《病原》糸状菌

写真をクリックすると拡大します

黒腐菌核病(くろぐされきんかくびょう)
閉じる

被害株を掘り上げたところ ©竹内妙子

黒腐菌核病(くろぐされきんかくびょう)
閉じる

葉鞘部表面の菌核の塊 ©竹内妙子

黒腐菌核病(くろぐされきんかくびょう)
閉じる

わけネギの表面に形成された黒色の菌核 ©竹内妙子


被害

苗床でも本圃でも発生する。葉先から灰白色に枯れ込み、生育が抑制される。症状が激しいと、株全体が枯れ上がって枯死する。地際の葉鞘部は腐敗し、表面にごま粒状の黒い菌核が生じる。これがかたまってできるとこぶ状やかさぶた状になる。根も腐敗して消失する。

被害作物

ネギ、タマネギ、ニンニク、ラッキョウ、ニラなど

発生

かびによる病害で、菌核が土壌中に長く生き残り、伝染源となる。2~4月に秋まきネギの苗や収穫間近のネギに発生する。気温が10℃前後のとき激しくまん延し、20℃を超えると停滞する。酸性が強く排水の悪い圃場で連作すると多発しやすい。保菌苗を植付けると本圃で発病しやすい。

防除

連作を避ける。酸性の強い畑では消石灰を施す。無病苗を定植する。発病株は菌核が形成される前にていねいに抜き取り、圃場外に持ち出して処分する。発病の恐れがある場合は早めに収穫する。菌核は比較的熱に弱いので梅雨明けから1ヵ月間透明フィルムで被覆して太陽熱消毒する。深耕により天地返しを行い、菌核を土中深くに埋め込む。播種または定植前に土壌消毒する。

収録:防除ハンドブック「 ネギの病害虫

目次へ戻る  | ホームへ戻る

稲の病害虫と雑草 |  ムギ類の病害虫 |  豆類の病害虫 | 
ジャガイモの病害虫 |  サツマイモの病害虫 |  アブラナ科野菜の病害虫 | 
  トマト・ナス・ピーマンの病害虫 |  キュウリ・スイカ・メロンの病害虫 |
   イチゴの病害虫 |  ネギ類の病害虫 |  菜園の病害虫 | 
カンキツの病害虫 |  リンゴの病害虫 |  日本ナシの病害虫 |
   西洋ナシの病害虫 |  モモの病害虫 |  カキの病害虫 | 
ブドウの病害虫 |  花の病害虫 |  難防除雑草