病害虫・雑草の情報基地

稲の病害虫と雑草

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

セジロウンカ

Sogatella furcifera
カメムシ(半翅)目ウンカ科

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セジロウンカ
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被害田。坪枯れにならずイネは黄変枯死する

セジロウンカ
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被害株。褐色の産卵痕、細い糸が見える

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幼虫

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長翅型雌は体長約4.5mm。雄は約4mm。頭部の前面に2本の黒条があり、突出する(↓部分、ヒメトビウンカとの識別点)。雌成虫に短翅型が発生する

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雄成虫


被害

被害は茎葉からの吸汁や産卵時に葉鞘を割くことによる。被害田は坪枯れにならず一面が黄変枯死する。成・幼虫の排泄物で茎葉にすす病が発生し、虫の粘液により株元に細糸が生ずる。時に吸汁により葉鞘が変色腐敗し流れ葉が発生することがある。日本海側では9月上中旬に穂を加害し不稔粒や変色米を発生させる。

生態

南西諸島では5月に(第1回成虫)、西日本では6月中旬〜7月中旬(第2回成虫)、北日本では梅雨前線が北上する7月中下旬に飛来する。トビイロウンカより飛来量が多い。暖地で年3回、北日本で2回発生し、成虫寿命は約1か月、葉鞘内に数〜20粒を並べて産卵する。約10日でふ化。幼虫期は2週間。7月末〜8月に多発するので「夏ウンカ」という。多発年には6月末から7月初めに各地一斉に多飛来する。なお、セジロウンカは飛来してきた次の世代で短翅型雌が発生することがあるが、普通野外では短翅型の雄はほとんど出ない。

防除

常発地では育苗箱施薬が必要になる。移植後の本田では水田に侵入した次世代(7月下旬〜8月)成・幼虫の株当たり3〜5頭以上が防除の目安。

収録:防除ハンドブック「 稲の病害虫と雑草

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