病害虫・雑草の情報基地

ハンドブック ムギ類の病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

ムギクロハモグリバエ

Agromyza albipennis
ハエ(双翅)目ハモグリバエ科 《加害》葉

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ムギクロハモグリバエ
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成虫による食痕 ©岩崎暁生

ムギクロハモグリバエ
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蛹 ©上堀孝之

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成虫 ©岩崎暁生

ムギクロハモグリバエ
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被害 ©岩崎暁生


被害

幼虫が葉内を潜孔加害して、太い筋状の潜孔(潜り跡)を形成する。潜孔は後半には葉幅いっぱいに袋状に広がる。被害葉は潜孔部が乾燥枯死することにより、ゆがみを生じる。幼虫の加害に先立ち、雌成虫が尾端の産卵管でつけた幅1mm弱、長さ2mm程度の白色の掻き傷(成虫食痕)が葉面に認められる。一部の掻き傷の内部に卵が産み付けられ、ここから幼虫の潜孔加害が開始する。

被害作物

コムギ、オオムギ、イネ科牧草。

発生

全国に分布し、通常年2回の発生である。1回目の成虫は5月中旬ころ~7月上旬、2回目の成虫は9月ころに発生する。幼虫による加害期間は2週間程度で、コムギの被害は6月中・下旬に多い。ただし、高温であった2004年の翌年(2005年)には、7月上・中旬に被害葉率が高まった。

防除

切葉処理により導き出した本種の被害許容水準は、上位2葉の被害葉率で春まきコムギでは12%、秋まきコムギでは16%である。幼虫の加害に先立って見られる成虫による上位葉の食痕葉率が50%を下回る場合には、このような被害が生じることはない。通常の発生レベルでは、防除の必要はない。

収録:防除ハンドブック「 ムギの病害虫

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