病害虫・雑草の情報基地

アブラナ科野菜の病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

ダイコン白さび病(わっか症)

Albugo macrospora
《病原》糸状菌

写真をクリックすると拡大します

ダイコン白さび病(わっか症)
閉じる

初め葉裏に乳白色のやや盛り上がった小斑点を生じ、のちに表皮が破れて白色粉状の胞子(分生子)を飛散する ©漆原寿彦

ダイコン白さび病(わっか症)
閉じる

葉の表側では、輪郭が不明瞭な黄色の斑紋となる ©漆原寿彦

ダイコン白さび病(わっか症)
閉じる

葉の表側の症状 ©漆原寿彦

ダイコン白さび病(わっか症)
閉じる

根部表面に5~10㎜程度の円形~楕円形の淡い黒色のリング状の斑紋(わっか症)を生じることがある ©白石俊昌


被害

主に葉に発生する。初め葉裏に乳白色のやや盛り上がった小斑点を生じ、のちに表皮が破れて白色粉状の胞子(分生子と呼ぶ)を飛散する。葉の表側では、輪郭が不明瞭な黄色の斑紋となる。また、収穫期近くに、根部表面に5~10㎜程度の円形~楕円形の淡い黒色のリング状の斑紋(わっか症)を生じることがある。本症状は、地上に出ている部分に多いが、土中の浅い部分にも発生する。この病斑は表面にとどまり、内部まで進展することはない。

被害作物

ダイコン、キャベツ、ハクサイ、カブ、コマツナ、キョウナなどのアブラナ科作物(わっか症はダイコンのみに発生)。

発生

春季や秋季が多雨で低温のとき発生が多い。胞子(分生子)の発芽最適温度は10℃前後で、比較的低温を好む。病原菌は、被害残渣中で卵胞子や菌糸で生存し伝染源となる。発病後は、胞子(分生子)が飛散して伝染する。潜伏期間は、通常7~10日間、好適条件では5~7日間である。わっか症は、白さび病菌が根部に感染して発症する。発症までに少なくとも20日程度かかる。病原菌は、寄生性が分化しておりいくつかの系統に分けられるが、ダイコンを侵す菌は、ダイコンのみを侵す。

防除

連作を避ける。圃場の排水をよくする。密植を避け通風をよくする。窒素過多を避ける。地上部の白さび病は、発病初期に薬剤防除を行う。わっか症の薬剤防除は、感染してから発症までの期間を考慮し、予防的に行う。

収録:防除ハンドブック「 アブラナ科野菜の病害虫

目次へ戻る  | ホームへ戻る

稲の病害虫と雑草 |  ムギ類の病害虫 |  豆類の病害虫 | 
ジャガイモの病害虫 |  サツマイモの病害虫 |  アブラナ科野菜の病害虫 | 
  トマト・ナス・ピーマンの病害虫 |  キュウリ・スイカ・メロンの病害虫 |
   イチゴの病害虫 |  ネギ類の病害虫 |  菜園の病害虫 | 
カンキツの病害虫 |  リンゴの病害虫 |  日本ナシの病害虫 |
   西洋ナシの病害虫 |  モモの病害虫 |  カキの病害虫 | 
ブドウの病害虫 |  花の病害虫 |  難防除雑草