病害虫・雑草の情報基地

アブラナ科野菜の病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

コナガ

Plutella xylostella
チョウ(鱗翅)目スガ科

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コナガ
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葉軸に産付されたコナガの卵塊 ©全農教

コナガ
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幼虫によるキャベツの被害 ©全農教

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繭内に造られる蛹 ©全農教

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成虫 ©全農教

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コナガ成虫雄(左)、雌(右) . ©全農教


被害

被害は大規模産地や家庭菜園のキャベツ、ダイコン、ブロッコリー、ナバナ、ハクサイなどにみられ防除対象の主要害虫になっている。幼虫が葉裏から葉表の表皮を残して食害するので透けて見える。被害は春と秋に多い。

被害作物

キャベツ、ハクサイ、ブロッコリー、ダイコン、コマツナ、ナバナなど。

発生

成虫は体長約6㎜、前翅長6~7.5㎜。雌の体色は灰褐色系で背中(前翅)の菱形は不明瞭、雄成虫は黒褐色系で背中(前翅)に明瞭な黄白斑の菱形がある。この菱形が英名のDiamondback mothの由来になっている。卵は長径が約0.5㎜の楕円形、産付直後は淡黄色であるが、ふ化間近には黒化する。幼虫はやや紡錘形で成長すると体長約10㎜となる。若齢のうちは鮮やかな緑色であるが、発育につれ濃緑色~緑褐色になる。蛹は長さ約6㎜で緑色、淡褐色、黒色など変異がある。蛹化は主に葉裏の繭内で行われる。 原産地は西アジアとされ、現在は熱帯から寒帯まで全世界的に分布する。国内では北海道でも被害が出るが、野外の越冬は根雪のない東北地方中部までとされている。越冬態は、寒冷地では蛹、暖地では蛹や幼虫や成虫で、冬も成長し続ける。コナガの成長は早く、年発生回数は寒冷地で約5回、暖地では10回以上に及ぶ。

防除

成虫の飛び込みと集中産卵、そして雑草が繁茂している圃場に幼虫が多発しやすく被害が誘発されやすい。このような状況を事前に察知し防除要否を検討する。

収録:防除ハンドブック「 アブラナ科野菜の病害虫

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