診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
葉、果実、新梢に発生する。葉の症状には、葉柄や葉脈に発生する黒色すす状の春型病斑と、葉の裏面に発生する墨を薄く流したような黒色の秋型病斑がある。 幼果では黒色ですす状の病斑を果面や果梗に形成し、のちにかさぶた状となって裂果や落果を引き起こす場合がある。
本病の第一次伝染源は子のう胞子であるが、分生子による伝染もある。前年の秋にナシの葉裏に秋型病斑を生じた発病葉が落葉して越冬し、3月頃、落葉上に子のう胞子が形成される。また、前年の落葉前の10~11月頃、秋型病斑上に形成された分生子が降雨によりナシ芽のりん片に感染・越冬し、春先にりん片病斑上で菌糸を伸長させ、果そう基部に分生子が形成される。感染から発病までの潜伏期間が長く、果実では通常25~30日である。‘幸水’では、開花前後と果実の生育後期である開花60~85日後は最も感受性が高い。最適発病温度は20℃である。20℃の場合、胞子は24時間以内にほぼ発芽し、感染は濡れ時間が9時間で成立する。
開花期前後に確認できる果そう基部病斑を切除すると効果が高い。また、この時期は重点防除期であり、防除薬剤はDMI剤を散布すると効果が高い。受粉作業や気象状況に応じて適期防除を心がける。さらに、幸水の果実肥大最盛期は、果実での感受性が再び高くなり、果実感染が盛んになるため、DMI剤の散布を含め7月上~中旬の防除を徹底して実施する。また、越冬菌の密度を下げるために落葉前まで秋期防除を行う。園内の落葉は通路部に掃き寄せた後に、乗用草刈機などで粉砕し、耕うんして土中にすき込むなどして伝染源を除去する。
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