病害虫・雑草の情報基地

ニホンナシの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

炭疽病

Glomerella cingulataおよび Colletotrichum acutatum  
《病原》糸状菌  《発病》葉、葉柄、果実

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炭疽病
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新梢葉の被害状況(金子洋平)

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早期落葉(金子洋平)

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葉の初期病斑(金子洋平)

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葉の初期病斑(金子洋平)

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葉の病斑(冨田恭範)

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葉表の病斑(椎葉岳彦)

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葉裏の病斑(椎葉岳彦)

炭疽病
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葉柄の病斑(金子洋平)


被害

炭疽病には、葉に発生する葉炭疽病と果実に発生する実炭疽病があったが、両病害を統一して炭疽病とすることになった。近年は、葉に発生する炭疽病が問題となっているので、ここでは、葉に発生する炭疽病について記載する。葉には大小の斑点状の病斑を生じ、葉身と葉柄に微小な黒点(分生胞子層または子のう殻)を形成する。症状が激しいと8月には早期落葉が起こる。発生する菌種には品種間差があり、主に豊水に早期落葉を起こすGlomerella cingulata と幸水に早期落葉を起こすColletotrichum acutatum が報告されている。

発生

主として本菌は罹病落葉で越冬し、翌年の第一次伝染源となるが、多発生園では、花芽でも越冬する。病班上に形成された胞子が雨滴などにより樹上の葉に付着し感染する。感染は6月上旬頃から始まり、11月の落葉期まで続く。

防除

被害落葉は集めて適切に処分する。発生が多い園では、6~9月に炭疽病を対象に薬剤散布を実施する。ただし、黒星病の重要防除薬剤であるDMI剤は効果が低いため注意する。

収録:防除ハンドブック「 ニホンナシの病害虫

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