診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
卵塊から孵化した幼虫が集団でナシの主枝、亜主枝などに食入し、材部を不規則に食い進んで空洞化させる。幼虫の穿入口からは木屑と虫糞が混ざったフラスが排出され、やがて発酵臭を放つようになる。被害樹は樹勢が低下し、進行すると枯死するため生産性が著しく低下する。
卵は樹皮の隙間などに卵塊で産下され、孵化幼虫は卵殻を摂食後に枝などに穿入する。幼虫は集団で材部を摂食し、幼虫期間は1年または2年と推察される。越冬した成熟幼虫は6月から蛹化する。フェロモントラップによる調査では、成虫の発生期間に地域間差はあるが、概ね6月上旬~8月下旬に出現する。
昆虫寄生性線虫を用いた生物農薬(バイオセーフ)は、線虫の寄生好適条件になりやすい梅雨期および9月中旬ごろに、穿入口から加圧噴霧器などを用いて薬液を注入すると効果的である。また、孵化幼虫の発生時期(茨城県では7月上旬~8月上旬と考えられる)にジアミド系殺虫剤を散布することにより、孵化幼虫の材部への食入を抑制できる。また、生物農薬とジアミド系殺虫剤による体系防除を複数年実施することにより、被害を軽減することができる。
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