病害虫・雑草の情報基地

ニホンナシの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

ニセナシサビダニ

Eriophyes chibaensis
ダニ目フシダニ科

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ニセナシサビダニ
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ニセナシサビダニ ©鹿島哲郎

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ニセナシサビダニ ©全農教

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ニセナシサビダニによるモザイク症状 ©鹿島哲郎

ニセナシサビダニ
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ニセナシサビダニの被害 ©全農教


被害

本種はナシの徒長枝先端部の新葉に寄生して吸汁加害するほか、増殖すると葉にさび症状を呈する被害を発生させる。被害葉は褐変、変形し、被害が進行すると早期に落葉する。被害の発生程度には品種間差があり、「二十世紀」や「新星」など葉に繊毛の多い品種で著しい。近年、葉にモザイク症状を引き起こすことが確認されているが、詳細は未解明である。

生態

体長は約0.2mm、ウジ(蛆)虫形でクリーム色を呈するダニで、ナシ葉の繊毛の間に生息する。そのため、葉に繊毛の多い品種で被害が大きい。また、微小であることから、肉眼での観察は困難である。芽の基部や枝の粗皮下などのナシ樹の隙間に成虫態で越冬する。越冬世代成虫は4月上旬頃から発生して6~7月に最盛期となり、それ以降は減少して越冬場所へ移動すると考えられる。

防除

ニセナシサビダニは新梢の先端に多く生息するので、スピードスプレーヤの送風圧を上げるなど新梢先端まで薬液が十分にかかるよう散布する。ナシ園内でスピードスプレーヤの薬液が届きにくい場所や、ドリフト対策などで送風圧を上げられない場合は、手散布による追加散布を行うのが望ましい。

収録:防除ハンドブック「 ニホンナシの病害虫

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