病害虫・雑草の情報基地

ニホンナシの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

サクセスキクイムシ

Xyleborus saxeseni
コウチュウ目キクイムシ科

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サクセスキクイムシ
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サクセスキクイムシ成虫 ©梅谷献二


被害

本種は、ナシの幹や主枝に食入して木質部を穿孔食害し、樹勢低下や枯死を招く。近年では、ナシ果実への穿孔による被害が問題となっている。果実の穿孔害虫としては果実吸蛾類が知られているが、被害果は穿孔部分を中心に腐敗し、腐敗の状況は果実吸蛾類のそれに似るが、穿孔直径は約1mmと本種の方がやや大きく、穴を中心に一様に褐変する点で果実吸蛾類と区別できる。

生態

本種は、孔道にアンブロシア菌を培養し、孵化幼虫はこれを餌に発育する養菌性穿孔虫である。寄主範囲は広く、針葉樹、広葉樹のいずれにも寄生する。雌成虫は体長約2mmで細長く、光沢のある黒褐色をしている。年1~2回発生し、成虫態で樹体内越冬する。越冬成虫は、4~5月頃に脱出して樹勢の弱い樹の枝幹に食入する。

防除

樹勢が低下した樹は加害を受けやすいので、適切な栽培管理により樹勢回復に努める。また、被害果が認められた樹やその周辺の樹では木質部の被害も発生している可能性が高いため、食入孔から細かい木屑が排出されていないかよく観察する。

収録:防除ハンドブック「 ニホンナシの病害虫

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