病害虫・雑草の情報基地

ニホンナシの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

コウモリガ

Endoclyta excrescens
チョウ目コウモリガ科

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コウモリガ
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コウモリガ成虫 ©梅谷献二

コウモリガ
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果実内のコウモリガ幼虫 ©鹿島哲郎

コウモリガ
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亜主枝のコウモリガ虫糞 ©鹿島哲郎

コウモリガ
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果実のコウモリガ穿入孔 ©鹿島哲郎


被害

幼虫がナシ樹の枝幹に移動し、樹皮を環状に食害する場合と、穿入口付近を食害する場合とがある。環状に食害されると、加害部より上部は枯死する。まれに果実を食害する。

生態

卵で越冬し、越冬卵は地域により4月中旬~5月下旬に孵化する。孵化幼虫は付近の植物の葉や茎の表面を摂食し、4齢になると草本、木本に登って穿入する。成長すると樹木の枝幹に食入する。その後、幼虫態で越冬し、翌年坑道内で蛹化して約4週間後に羽化する。終齢幼虫は11齢になる場合もあり、体長は60mm以上で頭部は光沢のある赤褐色を呈し、頭幅は5mm程度にまでなる。成虫は8~10月に出現し、草原を飛翔しながら卵粒をばらまき産卵する。幼虫は広食性であり、森林の樹木に加えてナシ、リンゴ、ブドウ、クリなどの果樹類を加害するほか、雑草、野菜類も好んで食害する。

防除

ナシで本種に対する登録農薬はない。幼虫は始め草本植物を加害することから、ナシ園内や周辺の除草を徹底する。食入孔から針金を差し込んで刺殺する。

収録:防除ハンドブック「 ニホンナシの病害虫

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