病害虫・雑草の情報基地

難防除雑草

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

セイタカアワダチソウ

Solidago altissima
キク科

日本には明治時代末期に観賞用として導入されたと言われる。第二次世界大戦後に急速に広まり、現在は北海道から沖縄まで広く分布する。
空き地、休耕田、河川敷や土手、道路や鉄道ののり面などで群生する大型雑草であり、秋には一斉に黄色い花を咲かせよく目立つ。同時期に全国に広まったブタクサと混同され、秋の花粉アレルギーの原因とされたこともあるが、本種は虫媒花で花粉は風で飛ぶものでないため無関係と考えられる。
冠毛のついた種子で拡散し、一度定着すると地下茎にためた養分を使って急速に繁殖し、他の植物を圧倒する。再生能力も高く、刈り取りにも強い。

写真をクリックすると拡大します

セイタカアワダチソウ
閉じる

花期の群落©全農教

セイタカアワダチソウ
閉じる

ほとんど分枝せず高さ2mほどになる©全農教

セイタカアワダチソウ
閉じる

ロゼット状で越冬する©全農教

セイタカアワダチソウ
閉じる

地下茎を伸ばして途中から芽を出す©全農教

セイタカアワダチソウ
閉じる

春(4月)のようす©全農教

セイタカアワダチソウ
閉じる

初夏(6月)のようす©全農教

セイタカアワダチソウ
閉じる

大きな花序には小さな頭状花がつく©全農教

セイタカアワダチソウ
閉じる

果実には冠毛があり飛散する©全農教

セイタカアワダチソウ
閉じる

セイタカアワダチソウの茎。短毛が密生©全農教

セイタカアワダチソウ
閉じる

オオアワダチソウの茎。無毛©全農教


生態

多年生。種子と地下茎で繁殖する。春先に地下茎から萌芽した茎が伸びはじめ、ほとんど分枝せずに直立して、秋には高さ2mを超える。
セイタカアワダチソウは茎葉全体に短くて固い毛が生えているため、手触りがざらつく。茎は赤色をしていることが多い。
北海道や東北地方に多い同属のオオアワダチソウは、茎葉が無毛のためすべすべしているので区別できる。
根からアレロパシー物質を分泌し、他の雑草の種子の発芽を抑制することも知られている。
結実後に地上茎は枯れるが、株元の芽が葉を広げてロゼットを形成し、浅く伸ばした地下茎とともに越冬する。地下茎から萌芽した株によって周囲へ繁殖するほか、冠毛のある種子が風で飛ばされて遠くへも分布を広げる。湿った休耕田や乾燥の強い空き地などいたるところで生育できる。

防除

地下茎から多数の芽を出すため、抜き取りには多大な労力を必要とする。刈取りをしても残った葉腋や地下茎から萌芽して再生育するため、防除が困難である。ただし、耕起作業により地下茎が細断されると萌芽能力を失うため、頻繁に耕起される畑地などでは繁茂しない。
また、休耕田に発生しているセイタカアワダチソウについては、復田された場合には、水田内での再生は見られないことも知られている。

収録:防除ハンドブック「 難防除雑草

目次へ戻る  | ホームへ戻る

稲の病害虫と雑草 |  ムギ類の病害虫 |  豆類の病害虫 | 
ジャガイモの病害虫 |  サツマイモの病害虫 |  アブラナ科野菜の病害虫 | 
  トマト・ナス・ピーマンの病害虫 |  キュウリ・スイカ・メロンの病害虫 |
   イチゴの病害虫 |  ネギ類の病害虫 |  菜園の病害虫 | 
カンキツの病害虫 |  リンゴの病害虫 |  日本ナシの病害虫 |
   西洋ナシの病害虫 |  モモの病害虫 |  カキの病害虫 | 
ブドウの病害虫 |  花の病害虫 |  難防除雑草