病害虫・雑草の情報基地

カキの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

うどんこ病

Phyllactinia kakicola
《病原》糸状菌 《発病》葉

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うどんこ病
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葉裏の初期病斑 ©全農教

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葉裏の初期病斑 ©全農教

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葉裏全体に発生した菌そう ©全農教

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葉裏の病斑。菌そうの中に黒色の粒(閉子のう殻)がみえる ©菊原賢次

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カキうどんこ病菌の閉子のう殻 ©全農教


被害

葉に発生する。5月頃に葉裏に小黒点が集まり、直径1〜2cmほどの病斑が作られるが、わずかに白色のかびが見られる程度で、うどんこ症状にならない。しかし9月頃には葉の裏側に白色〜灰褐色のかびが広がり、いわゆる「うどんこ症状」となる。10月頃には、白色菌そうの中にはじめ黄色、のち黒色の小粒(閉子のう殻)ができる。発病により光合成を阻害し、樹勢や果実品質に悪影響を与える。

発生

カキの枝幹などに付着した閉子のう殻で越冬する。第一次伝染は4月下旬〜5月上旬から始まる。発病は5〜6月に始まり、盛夏には一時的に停滞するが、8月下旬頃からうどんこ病特有の白粉症状が現れ、9月下旬頃から再び増加し始める。10月になると葉裏の菌そうの中に閉子のう殻が作られる。5〜6月に降雨が多い年は多発しやすく、冷涼な夏は発病を助長し、秋に激発する。

防除

初発を抑える5月の薬剤散布と再び発病が増加し始める8月の薬剤散布が有効である。越冬源を除去する目的で、休眠期防除も効果がある。

収録:防除ハンドブック「 カキの病害虫

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