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リンゴの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

モモチョッキリゾウムシ

Rhynchites heros
コウチュウ目オトシブミ科 《加害》花、新梢、枝、果実

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成虫 ©全農教

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果実を加害する成虫 ©舟山健

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産卵された果実 ©舟山健

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被害果 ©全農教


被害

春に、成虫が新梢や花そうの基部を口吻で穿つため、加害枝の先端が枯れ下がる。また、小さな幼果も穿つため、変形果やサビ果の原因となる。幼果が小指~親指大になると産卵を開始し、産卵した果実の果梗や果そうの基部を半分程度の深さで切断する。このため、多発生の場合は、結実が皆無になることもある。

発生

九州以北に分布する。1年1回発生と2年1回発生が混在する。1年1回型は、幼虫が土中に潜って虫室を作り、秋に成虫になって越冬し、開花直前頃から6月上旬に出現する。2年1回型は幼虫で土中で越冬し、2年目の秋には成虫になって越冬し、5月上旬頃から出現する。産卵盛期は6月上旬頃である。幼虫は産卵された果実内で発育し、7月中旬~8月下旬に被害果から脱出して、土中に潜る。

形態

雌雄成虫は濃い赤紫色で光沢を帯び、同色の微毛をやや密に生じる。雌成虫の体長は約10mm(口吻を除く)で、雄成虫はやや小型である。

防除

山間部の園で発生が多い。発生が多い場合は、落花期に薬剤を散布する。本種に適用のある合成ピレスロイド剤の散布が効果的である。

収録:防除ハンドブック「 リンゴの病害虫

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