病害虫・雑草の情報基地

カンキツの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

黒点病

Diaporthe citri
《病原》糸状菌  《発病》葉・果実・枝

写真をクリックすると拡大します

黒点病
閉じる

春葉の濃厚感染病斑

黒点病
閉じる

果実の黒点病斑

黒点病
閉じる

果実の泥塊状病斑

黒点病
閉じる

雨滴の流れに沿った果実の涙斑状病斑

黒点病
閉じる

極早生温州に発生した緑斑黒点症状

黒点病
閉じる

不知火の柱頭部から発病した濃厚感染病斑

黒点病
閉じる

清見の葉身と緑枝の病斑

黒点病
閉じる

清見果実の黒点病斑


被害

葉、果実、緑枝に0.1〜0.5mmほどの黒点が発生する。枯枝直下の果実は濃厚感染し、雨滴の流れに沿った涙斑状や泥塊状の病斑を形成する。中晩柑の清見では盛り上がった大きな病斑が多い。極早生温州の果実肥大期に感染すると、比較的大きな病斑になり、病斑表面にひび割れを生じる。着色初期に感染すると黒点の周りの着色が遅れ、緑斑黒点を形成する。

発生

多雨が発生を助長する。伝染源は二つあり、一つは樹冠内部の枯枝である。柄胞子が形成され、降雨のたびに流れ出し、主に樹冠内部の果実が発病する。このため、枯枝のそばや下の果実で多発する。もう一つは切株や園の内外に放置された剪定枝である。これらには子のう胞子が形成され、風で運ばれて樹冠外周部の果実が発病する。ハウス栽培でも樹上からの灌水によって被害を生じることがある。黒点病斑からの二次伝染はない。

防除

伝染源である枯枝の発生を抑制するために密植を改め、樹冠内部の日照を良好に保つ。枯枝は適宜除去し、剪定枝を園内や周囲に放置しない。切株には肥料袋などをかぶせ、子のう胞子の飛散を防ぐ。薬剤散布は極早生品種では落弁期から開始する。薬剤散布後の累積降雨量が250〜300mmに達した時点が次回散布の目安となる。ただし、累積降雨量が少なくても、散布1か月後をめどに散布する。

収録:防除ハンドブック「 カンキツの病害虫

目次へ戻る  | 病害画像インデックス | 害虫画像インデックス  | ホームへ戻る

稲の病害虫と雑草 |  ムギ類の病害虫 |  豆類の病害虫 | 
ジャガイモの病害虫 |  サツマイモの病害虫 |  アブラナ科野菜の病害虫 | 
  トマト・ナス・ピーマンの病害虫 |  キュウリ・スイカ・メロンの病害虫 |
   イチゴの病害虫 |  ネギ類の病害虫 |  菜園の病害虫 | 
カンキツの病害虫 |  リンゴの病害虫 |  日本ナシの病害虫 |
   西洋ナシの病害虫 |  モモの病害虫 |  カキの病害虫 | 
ブドウの病害虫 |  花の病害虫 |  難防除雑草