診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
枝や幹の木質部にステムピッティングという茶色味を帯びた細くて短い溝やすじ状のくぼみを生じる。このため、枯枝が増加し、樹勢が低下するとともに、果実は小さくなり収量が低下する。葉は小型化して波打つ。夏秋梢に症状は現れない。中晩柑は弱く、特に管理が不十分な場合に被害が大きい。温州、ぽんかん、たんかん等ではウイルスは保毒しているが実害はない。
我が国のカンキツ類はほとんど本ウイルス(強毒系統)を保毒しており、ウイルスは媒介虫(ミカンクロアブラムシ、ワタアブラムシ)で伝搬される。被害を生じるかどうかはカンキツの種類による。
樹勢衰弱を回避するために、肥培管理をていねいに行うとともに結果過多を避ける。樹勢を良好に保つことで被害を少なくできる。強毒系統に対して干渉効果を示す弱毒系統があり、この系統が強毒系統より先に樹体内に入っていれば保毒媒介虫が吸汁して強毒系統のウイルスを媒介しても発病が遅れ、被害を軽減できる。熱処理と茎頂接木で作出した無毒(フリー)苗木を植えつけてもアブラムシ類で汚染されるので、中晩柑類では弱毒系統を保持した苗木を利用する。現在、無毒化された不知火にはM-16Aという弱毒系統を接種した苗木が販売されている。媒介虫の密度低下をねらって新梢伸長期に殺虫剤を散布する。
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