診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
幼虫が塊根を食害する。被害痕は塊根の表面にみられ、幅が2~4mm、深さ3~4mmで不規則に蛇行し、コガネムシ類の食害と類似する。しかし、コガネムシ類の食害は幅が太く加害部が粗いのに対し、ゾウムシの食害は細く加害部は小さく丸くえぐり取られているので区別できる。7~8月に掘り取る早植栽培で被害が多い。
サツマイモのほか、ジャガイモ、ラッカセイ、ウリ類、アブラナ科野菜、ゴボウ、ニンジン、フダンソウ、ホウレンソウ、クワ、コウゾ、タバコ、ソリダゴ。
年1回発生する。成虫、幼虫が土中で越冬し、越冬成虫は4月中旬頃から活動を始める。産卵は5月上旬頃から6~8月頃まで続き、1雌当たりの産卵数は約940粒である。成虫によるサツマイモ葉の被害は少なく、後翅の退化により飛翔もできないため、圃場周辺の雑草(ヨモギ、アレチノギクおよびカラスノエンドウなど)を摂食して蔵卵した個体が歩いて侵入し、産卵すると考えられる。ふ化後の幼虫は細根を摂食するが、中齢幼虫になると塊根を摂食するようになる。25℃条件下では卵14日、幼虫60日、蛹14日程度を要する。新成虫は8月頃から発生するが、そのまま土中に留まり越冬することが多い。羽化後に地上に出現すると10月頃から雑草や冬作物の株元、枯れ草の下などで越冬する。関東以西に分布する。
前年に被害を受けた圃場では周辺の密度が高いことが予想される。春先の越冬後成虫の出現時期に圃場周辺部の畦畔や雑草地は定期的に草刈りを行い、密度を低下させる。
稲の病害虫と雑草 |
ムギ類の病害虫 |
豆類の病害虫 |
ジャガイモの病害虫 |
サツマイモの病害虫 |
アブラナ科野菜の病害虫 |
トマト・ナス・ピーマンの病害虫 |
キュウリ・スイカ・メロンの病害虫 |
イチゴの病害虫 |
ネギ類の病害虫 |
菜園の病害虫 |
カンキツの病害虫 |
リンゴの病害虫 |
日本ナシの病害虫 |
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モモの病害虫 |
カキの病害虫 |
ブドウの病害虫 |
花の病害虫 |
難防除雑草