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イチゴの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

角斑細菌病

Xanthomonas fragariae, Xanthomonas campestris
《病原》細菌 《発病》葉、がく、クラウン

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角斑細菌病
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葉表の症状 ©木嶋利男

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葉裏の症状 ©外側正之

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葉裏の葉脈に沿った水浸状の病斑 ©外側正之

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病斑上の汁液(菌泥) ©外側正之

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がくの発病に伴い変形した果実 ©池田雅則


被害

葉、がく、クラウンに発生する。はじめ最下葉の葉裏に発生し、葉縁や葉脈に沿って水浸状の小斑点を生ずる。やがて斑点は葉脈に囲まれ、大きさ0.5~4mmの赤褐色の病斑となる。葉裏に形成する角ばった水浸状斑点が特徴であり、斑点の周りは黄色く退色する。病斑は重なり、拡大して葉枯れ状となることが多い。多発時には葉枯れやがく枯れを生じる。病斑の裏側に白色の汁液(菌泥)を噴出する。普通栽培では9~10月に発生し、山上げ育苗では5~6月に発生しやすい。

発生

冷涼地の育苗圃で発生しやすい。病原菌の生育適温は15~20℃であり、最高気温が20℃以下の時期に発生しやすい。第一次伝染源は保菌苗と考えられ、病斑から流れ出た病原菌が水滴で飛散し、気孔や水孔から感染して二次伝染する。風雨や発病葉との接触によって容易に伝染する。多湿条件で発病が助長され、多雨の年に軟弱徒長した株に発生しやすい。

防除

品種間の発病差異があり、とよのかは強く、章姫や女峰、アイベリーは弱い。頭上灌水を避け、チューブ灌水にする。ビニル被覆やマルチはできるだけ早めに行う。発病葉や発病株はビニル袋に詰めて腐敗させるか土中に埋める。無病苗を使用し、発病圃場の株は使用しない。

収録:防除ハンドブック「 イチゴの病害虫

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