病害虫・雑草の情報基地

イチゴの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

葉縁退緑病

‘ Candidatus Phlomobacter fragariae ’
《病原》バクテリア様微生物 《発病》株全体

写真をクリックすると拡大します

葉縁退緑病
閉じる

葉は小さく、葉縁退緑症状となる ©鐘ヶ江良彦

葉縁退緑病
閉じる

展開葉は杯状になることが多い ©岡山健夫


被害

イチゴの株全体が萎縮し、葉が叢生する。はじめ若い葉の葉縁が退緑し、やがて全葉に広がる。新しい展開葉は1/10程度に小さくなり、幅1~2mmの典型的な葉縁退緑症状となり、杯状になることが多い。未展開葉の裏側が赤みを帯び、葉表も赤化することがある。果実は小さく、奇形、着色異常を生じ、軟化して酸味が強く商品価値がなくなる。根は広範囲に組織が部分的に枯死し、黒褐色になる。このような病徴はランナーを通じて親株から子株へと伝染する。紅ほっぺ、とちおとめ、章姫、さちのか、女峰に発生が認められている。

発生

本病はバクテリア様微生物の感染によって引き起こされ、我が国では2004年以降に愛媛県、千葉県、北海道で発生が報告された新病害である。本圃では2月に株全体の萎縮叢生、葉縁の退緑、果実の奇形等の症状を引き起こす。フランスではヒシウンカによって媒介し、春と晩夏~初秋の時期に感染する可能性が高いと報告されているが国内では確認されていない。我が国では異なる種の昆虫によって媒介されると考えられている。

防除

伝染様式や媒介虫などの生態的知見は少なく、防除対策もない。

収録:防除ハンドブック「 イチゴの病害虫

目次へ戻る  | ホームへ戻る

稲の病害虫と雑草 |  ムギ類の病害虫 |  豆類の病害虫 | 
ジャガイモの病害虫 |  サツマイモの病害虫 |  アブラナ科野菜の病害虫 | 
  トマト・ナス・ピーマンの病害虫 |  キュウリ・スイカ・メロンの病害虫 |
   イチゴの病害虫 |  ネギ類の病害虫 |  菜園の病害虫 | 
カンキツの病害虫 |  リンゴの病害虫 |  日本ナシの病害虫 |
   西洋ナシの病害虫 |  モモの病害虫 |  カキの病害虫 | 
ブドウの病害虫 |  花の病害虫 |  難防除雑草