病害虫・雑草の情報基地

ブドウの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

苦腐病(にがぐされびょう)

Greeneria uvicola
≪病原≫糸状菌  ≪発病≫果実、新梢

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苦腐病(にがぐされびょう)
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被害果上には、黒色粘質の分生子塊がみられる ©綿打享子

苦腐病(にがぐされびょう)
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晩腐病(鮭肉色の分生子塊)と混発している様子 ©綿打享子


被害

果実では、はじめ退色し白っぽくなるが、その後、果粒表面に黒色の隆起した小粒点がみられる。症状が進むと、黒色小粒点はやぶれ、黒色でつやのある粘性の胞子(分生子)塊を生ずる。晩腐病の胞子(分生子)塊はオレンジ色であるのに対して、本病は黒色であることから区別ができる。被害果粒はその後しぼんで干からびる。新梢では、基部から褐変がはじまり、その後新梢全体が枯死する。

発生

病原菌は結果枝や結果母枝などの病斑部で菌糸の形で越冬する。5月中旬以降、越冬部位につくられた胞子(分生子)が降雨により飛び散り、果房や新梢に感染する。病斑上では胞子(分生子)を形成し、2次伝染する。生育期に降雨が続くと発生が多くなる。

防除

圃場における伝染源を少なくするため、樹上の被害果粒や被害新梢は見つけ次第、園外に持ち出し処分する。

収録:防除ハンドブック「 ブドウの病害虫

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