診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
熟果での被害が大きく、はじめ淡褐色の小斑点を生じ、急速に広がって果粒全体を腐敗させる。病斑上にはさめ肌状の小粒点があらわれ、ここに鮭肉色で粘質の胞子 (分生胞子と呼ぶ)の塊を大量に吐出する。被害果粒にはしわが生じてやがてミイラ果となる。隣接する果粒に二次感染して果房全体に被害が及ぶこともある。幼果では黒色の小斑点を生じ、着色期になって腐敗型病斑に進展することもある。花穂の発病は開花前にみられ、花雷が褐変して鮭肉色の分生胞子の塊を形成する。
病原菌は結果母枝の樹皮組織、穂軸、巻きひげなどに潜在感染(感染しているが肉眼的には症状が見えない状態)して越冬し、翌春、胞子(分生胞子)を形成して第一次伝染源になる。胞子は雨によって飛散する。飛散は梅雨期に最も多くなるため、この時期が多雨になると一次感染が多くなる。着色期~成熟期の果粒はきわめて罹病性になるため、無袋栽培では成熟期に降雨が多いと二次感染によって甚大な被害となることがある。
薬剤防除だけでは十分な効果が得られないので、耕種的対策を組み合わせて総合的に防除を行うことが重要である。特に無袋栽培では防除が難しいため、降雨が多い地域では雨よけ施設の導入を検討する。
伝染源対策として前年の穂軸や巻きひげのせん除を徹底し、菌密度の低下を図る。有袋栽培では早期の被袋、無袋栽培では早期の笠かけにより高い防除効果が得られる。二番成り果房は格好の発生源と なるので除去に努める。
薬剤防除では休眠期防除を必ず行い、生育期防除は開花期~袋かけ前まで定期的に行う。特に落花期以降の防除が重要となる。
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