病害虫・雑草の情報基地

ブドウの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

味無果病(あじなしかびょう)

未確認
≪発病≫果実

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味無果病(あじなしかびょう)
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果実の着色不良(品種「甲州」 左:罹病、右:健全)健全な果房と比較し、紫色が薄く食味も劣る. ©寺井康夫

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果実の着色不良(品種「甲斐路」 左:罹病、右健全)健全な果房と比較し、赤色が薄く食味も劣る. ©寺井康夫


被害

症状は果実にのみ現れる。葉や枝幹には特別な症状はみられない。発病が最も多いのは「甲州」で、収穫期の果実では、着色が不良で、糖度も健全なものより3~5度低く、食味も劣る。本病は、はじめ「甲州」で発見されたが、「甲斐路」、「巨峰」、「ピオーネ」などでも確認された。着色不良の程度は品種により異なり、「甲州」では健全樹と比較しやや黄色味を帯びる程度であるが、「甲斐路」や「ピオーネ」では着色不良となる。無毒化(ウイルスフリー)された苗木を植え付けることにより、現在、本病はほとんどみられなくなっている。

発生

接木伝染するため、ウイルス病と考えられている。病原には2説が提唱されており、一つはリーフロール病とフレック病の複合感染説である。これは接木接種により味無果症状が再現されている。また、もう一つは、球状ウイルスが病原であるとする説であるが、これは症状の確認には至っていない。

防除

いったん発病すると治療は困難であり、薬剤による防除はできない。感染樹は伐採し、無毒化(ウイルスフリー化)された苗木を植え付ける。

収録:防除ハンドブック「 ブドウの病害虫

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