病害虫・雑草の情報基地

ネギの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

萎縮病(いしゅくびょう)

Shallot yellow stripe virus (旧Onion yellow dwarf virus)
《病原》ウイルス

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萎縮病(いしゅくびょう)
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葉が波状に奇形となる ©全農教 

萎縮病(いしゅくびょう)
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生育が抑制され下葉は枯死する ©全農教 

萎縮病(いしゅくびょう)
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本病による生育の不揃い ©全農教

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明瞭なモザイク症状 ©全農教 

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葉が扁平して奇形になる ©全農教 


被害

本病には2種類の病徴がある。モザイク型では、はじめ、新葉の基部に淡黄緑色,紡錘形のモザイク斑紋や、長短の明瞭な条斑を生じる。やがて葉全体にモザイク斑紋や淡黄色条斑が広がり、表面はでこぼこの波状になったり扁平して奇形となる。新葉の生育は抑制され、下葉は下垂して、葉先から枯れ込む。黄化型では株全体が黄化して萎縮し、分げつが多くなって葉は細くなる。

被害作物

ネギの他、タマネギ、ニラ、ラッキョウにも感染する。

発生

ウイルスによる病害で、モモアカアブラムシ、キビクビレアブラムシなどのアブラムシ類によって媒介される。汁液によっても伝染する。有翅アブラムシが多く飛来する4~6月と、9~11月に感染、発病する。この時期、高温乾燥の天候が続くとアブラムシの発生が多く、本病も多発しやすい。苗が小さいときほど感染しやすく被害も明瞭になる。高温時や低温になると症状は隠ぺいされる。ネギを侵すウイルスの病気として、萎縮病のほかに、数種類のウイルスが原因となるウイルス病がある。ウイルス病は軽いモザイク、条斑、斑紋などを生じるが、単独感染での実害は少ない。 注)隠ぺい;症状が軽減または見えなくなる現象。ウイルスそのものは体内に存在する。

防除

苗床はネギ畑の近くに設けない。また、寒冷紗などでアブラムシの飛来を防止する。発病の恐れがある場合は抵抗性の品種を作付ける。定植するときは苗を厳選し、発病株を植付けない。発病株は速やかに抜き取り圃場外に処分する。アブラムシの防除を行う。

収録:防除ハンドブック「 ネギの病害虫

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