診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
9月~翌5月まで幼虫と成虫により野菜の葉が食害される。
ハクサイ、コマツナ、ダイコン、ホウレンソウ、ニンジン、タバコなど。
成虫は体長約10㎜。赤褐色で鱗片(りんぺん)と毛に覆われて光沢がない。上翅に淡灰色のV字形の白い斑文がある。幼虫は体長約10~14㎜、緑白色~緑色、無脚で蠕動(ぜんどう)しながら、葉の上を移動する。卵は半楕円形~球形で黄土色。 ブラジル原産であるが、本州、四国、九州、さらに台湾、北米、豪州、アフリカにも発生している。日本では1942年(昭和17年)頃、初めて発見された。日本では雌しか発見されず単為生殖で増える。年1回発生で9月以降に植えたハクサイ、コマツナ、ダイコン、ホウレンソウなどに移動・食害し、秋と春先に産卵する。1頭当たり1000卵の記録がある。その後幼虫がふ化し、春先以降に成虫になる。越冬は主に幼虫でハクサイやコマツナ、アレチノギク、ヒメジョオンなどの葉間や葉下で行われる。
ハクサイ、コマツナなどでは初秋の播種期に成虫が侵入して来ないように圃場周辺に溝を掘り、防虫ネットを設置するなど、耕種的、物理的対策を考える。コナガ、アオムシ防除のために清耕栽培や粒剤施用している圃場では発生は少ない。
みずなに対してはピレスロイド系(アディオン(ベニカベジフル))の散布薬剤が登録されている。(平井一男)
(平井一男)
※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
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