病害虫・雑草の情報基地

ジャガイモの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

打撲症(だぼくしょう)


≪病原≫生理障害  ≪発病≫塊茎

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打撲症(だぼくしょう)
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塊茎内部の黒斑Ⓒ村上紀夫

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塊茎表面の黒斑。ただし、ふつうは症状を塊茎表面から発見することは難しいⒸ村上紀夫

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塊茎表面の丸い陥没症状。ただし、ふつうは症状を塊茎表面から発見することは難しいⒸ村上紀夫

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塊茎の切断面Ⓒ村上紀夫


被害

収穫した塊茎表皮の下部に、灰褐色~淡黒色の不整形の変色部を生ずる。変色部の境界は明瞭で、深さは数mm、大きさは数mmから5mm程度におよぶ。この症状は、外部からの強い力により細胞が破壊され、チロシンが酸化酵素(チロシナーゼ)で酸化され、最終的にメラニンとなって黒変することによる。ただし、症状を塊茎表面から発見することは難しく、表皮をはいで初めて分かることが多い。一般に比重の高い塊茎で発生しやすく、10℃以下で発生が急増する。加工用ではトリミングロスを生じ、生食用でもクレーム対象となって被害は大きい。

発生

収穫、選別、貯蔵、輸送中に物理的な衝撃や圧力が加わることによって生ずる。発生の難易には品種による表皮の構造が関係しており、ラセット皮の塊茎は傷が付き難く、チップ用の品種は薄皮なために発生が多いとされる。

防除

畑の土塊、小石を除去して、早期培土を行う。収穫、選別時にはていねいな機械操作を行う。塊茎の落下部はゴム等で保護する。

収録:防除ハンドブック「 」

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