1.夏期に気温が高く雨が少ない
高温少雨の気候条件では、斑点米カメムシ類は行動が活発となります。 また、通常の餌となるイネ科雑草も生育が旺盛となり、カメムシの発生量が増加します。
斑点米はカメムシの吸汁加害によって起こりますが、加害の時期によって被害の度合いが異なります。
吸汁の時期が乳熟後期以降では、玄米は生育不良とはならずに斑点米となり、品質が低下して落等(規格外)の原因になります。
一方、出穂〜乳熟初期の加害では‘シイナ’や‘くず米’となり、米の収量に影響します。
斑点米カメムシ類による加害は古くからありましたが、問題視されるようになったのは米の生産調整が行なわれるようになった1970年以降です。
斑点米を引き起こすカメムシは65種類もの記録があります。
果樹を加害するカメムシと比べて種類数も多く、地域によって発生する種類が大きく違うのが特徴です。
また現在は多くの地域で、以前は発生が見られなかった種類が問題となるなど、加害するカメムシの優占種が変わってきています。なかでも休耕田と転作牧草の面積の増加などにより、飛翔能力が高く、移動距離の大きいカスミカメ類が増える傾向にあります。
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高温少雨の気候条件では、斑点米カメムシ類は行動が活発となります。 また、通常の餌となるイネ科雑草も生育が旺盛となり、カメムシの発生量が増加します。
暖冬によりカメムシ類の越冬量が増加し、 その年のカメムシ発生量が多くなります。
水田周辺にイネ科雑草が多く生育していることで、 斑点米カメムシ類の繁殖地を増やす原因となり、 カメムシの水田内への侵入が容易になります。
イネよりも前にヒエ類やイヌホタルイは穂を出すため、 カメムシの水田内への移動のきっかけとなります。 その後イネが出穂するので、水田内には餌の量が増えて カメムシの生育・繁殖に適した環境となります。
口器の弱いカメムシ類(カスミカメムシ類など)は、 籾の組織の柔らかい部分でないと吸汁できません。 そのため割れ籾が発生することで、籾に開口部ができ 吸汁が容易となります。 なお、割れ籾が発生しやすい品種や割れ籾が多発しや すい年は、カメムシの加害する期間が長引くことが 知られています。