2015-07-15 最終更新
病徴:
温室栽培のメロンで,苗の交配後果実の肥大が確認される頃,すなわち定植後約40日頃に,茎および葉脈に水浸状の病斑を形成し,その後徐々に茎と葉柄が軟化・腐敗し,枯死に至る.植物体は腐敗しても悪臭はない.
病原:
Pseudomonas cichorii(Swingle 1925)Stapp 1928
細菌の一種.本細菌は1~数本の極鞭毛を有する好気性のグラム陰性稈菌である.細菌学的性質は,King’s B培地上で水溶性黄緑色蛍光色素を産生し,オキシダーゼ活性,タバコ過敏感反応は陽性で,レバン産生,ジャガイモ塊茎腐敗,アルギニンジヒドロラーゼ活性はそれぞれ陰性である.硝酸還元,硝酸呼吸,ゼラチン液化,カゼイン水解,リパーゼ活性は陰性で,エスクリンおよびアルブチンの加水分解は陽性.41℃で生育はできない.
伝染:
発病適温は20~25℃であり,おもに春作,夏作の温室メロンで発生する.本細菌はレタス,キク,ガーベラ等のキク科植物を中心に広範囲な植物に対して病原性を有する.そのほか国内においてはナス,ニンニク,オクラ,セロリ等の野菜類,ヒマワリ,カンパニュラ属の花卉類等での発病が報告されている.
(2011.11.11郷間秀夫)