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ペチュニア帯化病

たいかびょう

Bacterial fasciation

2015-07-15 最終更新

病徴:
株の一部が萎縮叢生し,地際部付近から短く肥大した多数の茎を側生する帯化症状,葉にこぶを形成するleafgallといった奇形症状を示す.根は侵されず,本病害により枯死することはなく,少数の茎葉は正常に生育する.

病原:
Rhodococcus fascians(Tilford 1936)Goodfellow 1984
〔異名Corynebacterium fascians(Tilford 1936)Dowson 1942〕
細菌の1種で鞭毛はなく運動性はない,大きさは1.4~4×0.5~0.9μmの桿状細菌で,グラム反応陽性,オキシダーゼ活性,硝酸塩の還元,インドールの産生,メチルレッド試験,エスクリンの加水分解ともに陰性の好気性細菌である.本細菌は主として宿主植物の活発に生長増殖している部位の表面に存在し,本細菌が産生するサイトカイニンによって側芽の叢生や肥大が生じるとされている.松浦らの選択培地(改良CFS)により分離した場合,本培地上で25℃7日間培養すると直径2~4mm,黄色~橙色で円形,中高,全縁,平滑な集落を形成する.また,土壌からの分離では高山らの選択培地CFSが有効である.

伝染:
本病の伝搬経路は明らかでないが,罹病植物の根圏土壌から高率で本菌が分離できることから,土壌伝染が推察される.また,スイートピーなどでは,種子による伝搬が報告されている.

参考:
http://ci.nii.ac.jp/naid/110006965959

(2011.11.30 清水慶明)

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ペチュニア帯化病(植物防疫所原図)