2015-07-15 最終更新
病徴:
幼苗期から収穫期まで発生する.子葉では,頂部のやや凹んだ付近から発病し,黄色から灰白色の不整型の病斑が形成され,やがて枯れる.本葉では,葉縁部が水浸状に変色し,V字,もしくは葉縁に沿って黄化する.ついには,葉縁部より灰白色から黄褐色のV字型病斑を形成し,その周辺の葉脈は黒変化する.発病が激しいと,茎の維管束も黒変する.また,直径1mm程度の黒色の小斑点が多数出現し,その後拡大して,中央部が灰白色,周辺部は黒色から黒褐色の不定形の病斑となる場合もある.花蕾や花梗が侵されると黒変する.
病原:
Xanthomonas campestris pv.campestris(Pammel 1895)Dowson 1939
グラム陰性の好気性桿菌で,1本の極鞭毛を有し,運動性をもつ.糖を含む培地上で特有の黄色色素と粘凋な集落を形成する.デンプン加水分解, カタラーゼ活性, ジャガイモ塊茎の腐敗は陽性,オキシダーゼ活性, タバコ過敏感反応, 硝酸塩の還元は陰性である.グルコース,スクロース,トレハロースなどから酸を産生する.キャベツ,ハクサイ,ダイコン,チンゲンサイ,ハツカダイコン,カリフラワーなどのアブラナ科作物に病原性を示す.
伝染:
罹病残渣とともに土中に残存し,降雨の雨滴によって葉に付着し,葉縁の水孔,傷口から侵入する.また,本菌は種子伝染も行う.秋季に降雨が多い場合は発生が多い傾向がある.害虫の食害は発生を助長する.
参考:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjphytopath/72/2/72_2_116/_pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ktpps1954/1998/45/1998_45_51/_pdf
(2011.11.28 酒井宏,池田健太郎)