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ネギ葉枯細菌病

はがれさいきんびょう

Bacterial blight

2015-07-15 最終更新

病徴:
播種2~3週間後の育苗期の苗の葉や,移植して2~3週間後の葉に現れる.育苗期に発生すると,生育が抑制されて葉先が枯れ,重症の場合は枯死する.圃場では,まず害虫の食痕のような灰白色不整形の斑紋あるいは境界の不明瞭な長円形の斑点として現れる.曇雨天下ではこれらの病斑が急速に拡大し,病斑の中心部は脱水して皺を伴い,その周辺は退緑・黄化する.天候が回復すると病勢は衰えるが,下位葉は枯死し,中位葉は中程から折れ曲がって先端が枯れる.

病原:
Xanthomonas axonopodis pv.allii(Kadota, Uehara, Shinohara & Nishiyama 2000) Roumagnac, Gagnevin, Gardan, Sutra, Manceau, Dickstein, Jones, Rott & Pruvost 2004
グラム陰性,好気性で運動性があり,単一の鞭毛をもつ短桿状の細菌である.普通寒天培地上に円形,中高,粘質な黄色集落を形成する.カタラーゼ活性は陽性,オキシダーゼ活性,アルギニンジヒドロラーゼ活性,ウレアーゼ活性,硝酸塩の還元,VP反応は陰性.35℃で生育するが,40℃では生育しない.ネギ以外にタマネギにも病原性を示す.

伝染:
詳細は不明であるが,タマネギ種子から本病原細菌を検出した報告があるため,種子伝染している可能性がある.

(2011.12.1 門田育生)

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ネギ葉枯細菌病.(上原勝江)

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ネギ葉枯細菌病.(上原勝江)

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ネギ葉枯細菌病. 育苗期の病徴(上原勝江)