2015-12-15 最終更新
病徴:
生育後期に株全体の生育が衰え,黄化することなく萎凋し,のち枯死する.茎は軟化し,症状の進行した株の茎地際部を切断すると中心部が褐変し,しばらく放置すると汚白色の細菌泥が大量に漏出する.さらに,茎の内部の褐変は地際部から上部まで連続して観察される.
病原:
Ralstonia solanacearum(Smith 1896)Yabuuchi,Kosako,Yano,Hotta & Nishiuchi 1996
BetaproteobacteriaのRalstonia属に属す.短桿状で数本の極鞭毛をもち運動性がある.グラム陰性,好気性で,F試験がO型,緑色蛍光色素産生,40℃ 下での生育およびアルギニンジヒドロラーゼ活性が陰性,オキシダーゼ活性が陽性である.普通寒天培地上で,汚白色で不整円形の湿潤な流動性のあるコロニーを形成する.病原細菌は多犯性であり,ナス科植物など多くの植物に青枯病を引き起こす.
伝染:
土壌伝染性の病害であり,本病原細菌は土壌中で長期間の生存ができる.本病においては,緩い傾斜地に建てられたビニルハウス群のうち,低地側にある水はけの悪いハウスで激発した.
(2011.11.30 篠原弘亮)