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トウガラシ・ピーマン退緑斑紋病

たいりょくはんもんびょう

Chlorosis

2015-11-10 最終更新

病徴:
葉と果実に輪紋,退緑斑紋症状を示す.茎頂部の未展開葉は退緑症状が見られるが,トマト黄化えそウイルス(TSWV)のような黄化えそ症状は見られない.

病原:
トウガラシ退緑ウイルス Capsicum chlorosis virus(CaCV)
BunyaviridaeTospovirus属に属す.ウイルス粒子は外膜を持つ直径約100nmの球形粒子で,S RNA,M RNA,L RNAからなる3分節一本鎖RNAゲノムを持つ.TSWV抵抗性遺伝子(tsw)を持つ品種(TSRみおぎ等)にも全身感染する.

伝染:
タイではアザミウマの一種Ceratothripoides claratris(和名未定)による媒介が報告されているが,日本における媒介種は不明である.土壌伝染,種子伝染はしない.実験的には汁液接種が可能だが,管理作業による感染の危険性は低い.

参考:
http://ci.nii.ac.jp/naid/110002770154

(2013.2.27 奥田充)

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トウガラシ・ピーマン退緑斑紋病.感染初期は葉に斑紋が現れ,その後,葉の退緑斑紋と奇形が生じる.果実に奇形を生じることがある.トマト黄化えそウイルス(TSWV)の感染による病徴と異なり,黄化えそは生じない(奥田充)

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トウガラシ・ピーマン退緑斑紋病.感染後期は葉の退緑が進み白化する.重症株では茎頂部に激しい奇形を生じ,生育不良となる(奥田充)