2015-07-15 最終更新
病徴:
茎および葉に発生する.地際部の茎や葉が腐敗黒変し,やがて地上部全体が萎凋して枯死する.茎の一部が黒変した場合は枯れずに生長するが,茎葉が萎縮して着莢数が減少する.ソラマメの生育が旺盛になる3月下旬から4月はじめ頃に症状が顕著になり,開花期頃まで発病が拡大する.
病原:
Pseudomonas viridiflava(Burkholder 1930)Dowson 1939
細菌の一種で,桿状菌に属し,大きさ1.5~3.0×0.6~0.9μm,グラム陰性,2~5の単極毛を有し,好気的に生育する.生育適温は30℃前後.寒天培地上で灰白色~乳白色,円形の集落を形成する.インゲンマメ,キャベツ,ハクサイ,レタス,トマトなどの野菜や花卉類など多くの植物に寄生性があるが,病原性はあまり強くない.
伝染:
病原細菌は土壌中や雑草を含む各種植物体上に生息していて,ソラマメが寒害や凍害によって付傷したり,抵抗力が低下したときに感染して発病に至るものと考えられている.寒冷地の秋まき栽培で発生が多く,冬の寒さの厳しい年次ほど発生が多い傾向がある.
(2012.1.31 本藏良三)