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シュンラン退緑斑病

たいりょくはんびょう

Chlorotic mosaic

2015-07-15 最終更新

病徴:
新しいシュートや展開葉に明瞭な退緑斑を現す.成熟した葉ではほとんど病徴は認められないが,葉の発育不良を引き起こすとともに,株全体がやや萎縮し,花付きが極端に悪くなる.

病原:
シュンラン退緑班ウイルス Cymbidium chlorotic mosaic virus(CyCMV)
CyCMVはSobemovirusに属すと考えられ,経約28nmの球状粒子である.汁液接種は可能で,洋ラン系のシンビジウムに容易に感染し,新しいシュートや展開葉に紡錘形の明瞭な退緑斑を現す.宿主範囲はきわめて狭く,シンビジウム属以外の植物への感染は確認されていない.シュンラン,シナシュンランに自然発生する.ウイルスの不活化条件は不明であるが,病葉中でのウイルス濃度は高い.

伝染:
本ウイルスは,株分けや移植などの管理作業時に汁液伝染することがある.媒介昆虫や種子伝染については今のところ不明である.

(2011.11.29近藤秀樹)

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シュンラン退緑斑病.シュンランにおける展開葉の病徴(近藤秀樹)

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シュンラン退緑斑病.洋ラン系シンビジウム展開葉における病徴(近藤秀樹)