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サギソウ萎縮病

いしゅくびょう

Stunt

2015-07-15 最終更新

病徴:
葉にモザイクおよび変形とよじれを生じるが,ときにえそを伴うことがある.株全体が激しい萎縮症状を示し,着花せず,球根もほとんど肥大しない.翌年の罹病株は生育不良となり,枯死する場合もある.

病原:
カボチャモザイクウイルス Watermelon mosaic virus(WMV)
WMV(旧WMV2)はPotyvirusに属し,粒子は約750×13nmのひも状である.汁液接種は容易で,宿主範囲は比較的狭い.おもにウリ科植物や,エンドウ,ソラマメ,トルコギキョウなどに自然発生する.ラン科植物ではサギソウ以外にバニラで発生する.不活化温度は55~60℃(10分),希釈限界は10-3~10-4,保存限度は4~8日(20℃)である.

伝染:
罹病したウリ科植物などが伝染源と考えられ,アブラムシにより非永続的に伝搬される.種子伝染は知られていない.

(2011.11.29近藤秀樹)

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サギソウ萎縮病.モザイク病斑(井上成信)

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サギソウ萎縮病.右は健全(井上成信)Ann.Phytopathol.Soc.Jpn. 63:113-117より転載