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イチゴ葉脈黄化病

ようみゃくおうかびょう

2015-07-15 最終更新

病徴:
栽培イチゴの葉に明瞭な葉脈黄化症状を示す.病徴は春や秋に明瞭となるが夏の高温時には消失する.イチゴウイルスの検定植物(Fragaria vesca UC-4, UC-5, UC-6)においても初期症状として葉巻,その後明瞭な葉脈の黄化~白化症状を示す.

病原:
ウイルス(未同定)
アブラムシ伝染性のイチゴウイルスは,単独感染では栽培イチゴ(Fragaria×ananassa)の葉には明瞭な病徴は示さず,また複数のウイルスが重複感染しても本病に特徴的な葉脈黄化症状は示さない.検定植物(F.vesca)各系統での病徴はイチゴベインバンディングウイルス(SVBV)のそれにやや類似して見えるが,SVBVによる病徴に比べるとより明瞭かつ長期間安定して現れ,SVBVによるものとは異なる.

伝染:
自然界での伝搬法は不明である.接ぎ木(小葉接ぎ)で容易に伝搬するが,イチゴケナガアブラムやワタアブラムシを用いた接種試験では伝搬しない.

(2011.11.28 吉川信幸)

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イチゴ葉脈黄化病.品種:ダナー(吉川信幸)

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イチゴ葉脈黄化病.Fragaria vesca UC-6での葉脈の黄化・白化(吉川信幸)