2015-07-15 最終更新

病徴：
露地親株床の後半（高温期）において，子苗から発生したランナー先端部が黒褐変腐敗する．病斑部は先端部分にとどまる．激しく発病すると，子苗の発生数が減少して苗不足になる．生理障害のチップバーンの症状と類似している．ときに，子苗の葉縁部に葉枯れ症状も観察される．発病苗の維管束の褐変は観察されない．

病原：
Fusarium moniliforme Sheldon
糸状不完全菌類に属する．PDA培地上での菌叢は，はじめ，白色でのちに暗紫色となる．Carnation leaf agar培地上で小型分生子は単細胞で卵形または棍棒状7.9～9.2×2.9～3.7μmでmonophialide上に連鎖状または擬頭状に形成される．大分生子は三日月形，1～5隔壁（多くは3～5隔壁）で大きさは19.9～54.4×3.4～4μm．

伝染：
病原菌は，罹病残渣中や汚染土壌中に厚壁胞子の形態で生存し，伝染源となる．

（2011.12.5　石川成寿）

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