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トルコギキョウ花らい腐敗病

からいふはいびょう

Bud rot

2015-12-15 最終更新

病徴:
形成して間がない花のつぼみでは,外部が淡く褐変し,開花時期になっても開花せず,乾枯する.また,比較的大きなつぼみでは,通常の開花時期に開花しても花弁の一部が淡く茶色に変色し,汚斑状になる.変色したつぼみでは,柱頭やおしべが黒色菌糸におおわれ,腐敗がすすむ.葉や茎,花梗では特徴的な症状は認められない.

病原:
Alternaria alternata(Fries:Fries)Keissler
糸状不完全菌類に属する.褐色の分生子を形成する.発病部から分離したAlternaria菌は倒棍棒状で,縦横に隔壁が認められ,分生子は柄の延長方向につくり,先端ほど新しく,連鎖状に形成する.分生子は,37~66×10~23μmでビーク長は7~23μmである.

伝染:
病原菌は罹病残渣中で生存し第一次伝染源となる.高温多湿の施設内で増殖した病原菌が,分生子を飛散し,施設内で形成して間がないつぼみに付着・侵入し発病に至る.連鎖状に形成された分生子は外れやすい.培地上の生育適温は25~28℃である.高湿条件で接種したところ,接種12日後にはほとんどのつぼみで発病を確認した.

参考:
http://jglobal.jst.go.jp/public/20090422/200902111606105744

(2011.8.31 冨川章)

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トルコギキョウ花らい腐敗病(冨川章)

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トルコギキョウ花らい腐敗病.圃場で見られるつぼみの腐敗(冨川章)

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トルコギキョウ花らい腐敗病.腐敗したつぼみ(冨川章)