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ルイスアケハダニ

Eotetranychus lewisi (McGregor)

英名:Lewis spider mite

ダニ目ハダニ科

2015-07-15 最終更新

1997年9月に奈良県御所市のポインセチアから発見され,その後愛知県や関東各県からも見つかっている.海外ではカンキツやモモにも寄生する広食性の種として知られているが,本邦では温室のポインセチアのみに寄生する.2005年に台湾からも報告されているが,そのほかの近隣諸国からは発見されていないため,外来種とされている.

形態:
雌成虫の体長は約0.5mm.すらりとした体形で,黄緑~淡黄色.体側に2対の小黒斑(第3脚付近と後端付近)がある.出糸突起は長さが幅のほぼ2倍.生殖口蓋のすぐ前と生殖口蓋上の皮膚状線は共に横走.第2脚脛節の通常毛は8本.雄成虫の体長は約0.4mm,体色は雌成虫より淡色で,白色~淡黄色.

加害作物:
【花卉】ポインセチア

被害と生態:
寄生されたポインセチアの葉は淡色化し,やがて黄変する.加害が進むと苞 (赤い葉)にも寄生する.ときには苞が赤色にならなかったり,落葉することもある.ポインセチアの特徴である緑と赤のコントラストの美しさが失われ,品質が著しく低下する.卵から成虫までの発育期間は,ネーブルで12~15日(17~23℃).
(2011.11.10 後藤哲雄)

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ルイスアケハダニ雌成虫(後藤哲雄)

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ルイスアケハダニ雄成虫(後藤哲雄)

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ルイスアケハダニ夏卵(後藤哲雄)

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ポインセチアへの寄生と被害(後藤哲雄)