2015-07-15 最終更新
本種は,1991年に三重県鈴鹿市の温室で栽培されていたコチョウランの一種とデンファレで発見されて以来,現在までに日本全国の栽培ランから見つかっている侵入種である.洋ランでは,しばしばオンシツヒメハダニの寄生も確認されているので,防除前に発生種の同定が必要である.
形態:
雌成虫の体長は約0.4mmで赤橙色.後体部は第4脚より後ろの体幅が狭くなっている.胴背毛は13対で,体の後端近くにある1対(h2)が極端に長く,むち状.体長約0.3mmの雄成虫は赤橙色.脚体部の後ろで体幅が著しく狭くなり,筒形を呈する.
加害作物:
【花卉】コチョウラン,デンファレなどの洋ラン
被害と生態:
寄生はランの地上部全体に及び,寄生葉の葉面が陥没して凹凸状になり,凹部が不規則な白線状の模様を作る.ときには褐色の斑点が出る.生息密度が高くなると全体が白化し,やがて葉全体が黄白化した後,落葉することがある.
(2011.11.10 後藤哲雄)