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ユリノキヒゲナガアブラムシ

Illinoia liriodendri (Monell)

ヨコバイ目アブラムシ科

2015-07-15 最終更新

きわめて大型のアブラムシでロウ質の白粉をまとう.寄主転換せずユリノキのみで生活する.北米原産の侵入害虫で,日本では1997年に横浜で初めて確認された.関東各地など分布は拡大している.

形態:
無翅胎生雌虫の体長約2.5mm.緑~淡黄緑色だが,無翅虫はロウ質白色粉をまとうので白く見える.無翅雌虫の触角は基部から3節目より先は黒色,脚部は跗節が黒になるがそれ以外は体色と同じ.触角は体長の1.2~1.6倍.

加害作物:
【庭木】ユリノキ.

被害と生態:
葉裏に発生し,甘露や排泄物にすす病が発生して美観を著しく損ねる.多発生状態となることも多く,そのような場合は落葉も引き起こす.6月に個体数は最も多くなるが,盛夏は少なく,秋に再び増殖する.晩秋に雄が出現し,有性生殖ののち卵を越冬芽の基部に産み付けて越冬する.
(2011.10.16 竹内浩二)

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ユリノキヒゲナガアブラムシ有翅虫を含むコロニー(竹内浩二)

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無翅胎生雌虫とその産仔(竹内浩二)

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ユリノキヒゲナガアブラムシの葉裏への寄生状況(竹内浩二)

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ユリノキへの寄生状況・排泄物にすす病が発生(竹内浩二)