2015-07-15 最終更新
本州以南の全国,朝鮮半島,中国大陸に分布する.
形態:
成虫は体長約5.5㎜,前翅は赤茶色で無紋の個体が多く約7割,黒紋10個を有する個体は約3割.トホシの和名は10個ある紋に由来すると思われる.1齢幼虫は体長約1㎜,終齢幼虫は約7㎜になる.卵は黄色,大きさは長径約1㎜,短径約0.5㎜.
加害植物:
【庭木】クコ.
被害と生態:
成虫は越冬後4月中旬に出現し加害植物を摂食し,交尾する.雌成虫はクコの葉裏に約8卵粒の卵塊を産卵する.1雌の産卵数は約50卵の記録がある.幼虫は肛門から粘液を出し,次いで脱糞し背腹部を蠕動させながら糞を背前方に移動させ背負い保湿する.背中の糞は,時々葉面に落としている.成幼虫ともに4~10月に発生し葉上で交尾する.11月以降は成虫のみが葉上に見られる.12月に入ると葉上の成虫は少なくなり落ち葉の下に潜む.成幼虫は6~8月にクコの葉を中肋のみを残す程度まで食害する.幼虫はイネドロオイムシやムギドロオイムシにならってクコドロオイムシと呼ぶこともある.
(2011.12.5 平井一男)