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カンザワハダニ

Tetranychus kanzawai Kishida

英名:Kanzawa spider mite

ダニ目ハダニ科

2016-01-29 最終更新

チャの重要害虫として知られているほか,ナス科,ウリ科などの野菜類,花卉類,果樹類などの多くの作物で防除を要する害虫となっている.日本全国および中国,台湾,フィリピン,オーストラリア,北アメリカなどに分布する.

形態:
雌成虫は体長が0.5mm内外で,体色は暗赤色,体側に暗色の斑紋がある.脚はやや黄色を帯びた白色.休眠雌の体色は朱色.雄成虫の体長は0.4mm内外で,雌成虫に比べ細身で逆三角形をしている.雄の挿入器末端の拡張部は大きく,約4μmであることが他種との区別点である.

加害作物:
ミョウガのほか,農業害虫検索ページで「カンザワハダニ」を検索.

被害と生態(ミョウガ):
ミョウガではおもに葉裏に寄生するが,高密度になると葉表にも寄生することがある.低密度時には葉表に小さな白斑が現れる程度であるが,高密度になると葉全体が白っぽくなり,ひどい場合には黄化し,枯死に至る.被害は下位葉から発生し,しだいに上位葉へと広がっていく場合が多い.
卵,幼虫,第1若虫,第2若虫を経て成虫となる.27℃における卵~成虫までの期間は約10日である.越冬は雌成虫で行うが,休眠性は比較的浅いため,施設栽培では冬期も活動することがある.

既刊p255:ナス科野菜を参照

(2012.1.16 山下泉)

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カンザワハダニ雌成虫(山下泉)

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ミョウガの吸汁被害.葉表(山下泉)

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ミョウガの吸汁被害・葉裏(山下泉)