2015-07-15 最終更新

病徴：
春期に葉の両面，葉柄に小さな黄色の盃形物（さび胞子堆）が現れ，寄生部は黄色い病斑になる．その後，褐色粉状の夏胞子堆，さらに色の濃い冬胞子堆に変化するが，激しい葉の枯死は見られない．

病原：
Puccinia lactucae-debilis Dietel　
担子菌類に属す．さび胞子堆は黄色，盃状，散在，ときに集合して形成され，さび胞子は球形から楕円形，表面にいぼを有し，大きさ17～24×13～18μm．夏胞子堆は粉状，褐色，夏胞子は球形から楕円形，単細胞，表面に細刺をもち，黄褐色から褐色，大きさ18～30×18～26μm，発芽孔は3～4個，まれに2個，散在，膜厚約1.5～2μm．冬胞子堆は暗褐色，冬胞子は2細胞，褐色，長楕円形から倒卵形，または球形，先端は円く，肥厚せず，基部も円く，隔壁部はくびれないかわずかにくびれ，表面に密に小いぼを密生，大きさ26～39×19～28μm，上室の発芽孔は頭部から1/2～1/3下位にあり，下室の発芽孔は隔壁部から1/2～1/3下位にある．宿主はニガナ，タカネニガナ，ハイニガナ，ジシバリ，ミヤコジシバリ，イワニガナ．

伝染：
中間宿主は存在せず，落葉上の冬胞子が春に発芽し，形成される担子胞子により第一次伝染が起こり，さび胞子世代を経て，冬胞子が形成されるまで夏胞子によって伝染が繰り返される．
さび胞子，夏胞子は風あるいは風をともなう霧雨によって飛散・伝播する．また冬胞子より生ずる担子胞子は風によりごく近距離へ飛散する（風媒伝染）．

（2012.5.29　金子繁）

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